冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
「むりむりっ、美結ちゃんには似合うけど、わたしなんかがメイド服着たらどうなると思ってるの…っ」
メイド服はわたしみたいな地味女のために作られてないんだよぉ〜〜。
自分で言ってて凄く悲しくなるけどね。
「は、可愛い決まってるって!!むしろメイド服は彩夏みたいな子が着るべきなんだって!」
「冗談キツイよ〜……」
わたしがそうぼやいたタイミングで、現文の中野先生が入ってきた。
それでみんな各自の席に着き、授業が開始する。
今まで学校を休んでいた分、今までで1番ってくらい真面目に真剣に授業を受けて。
6限目までが過ぎた。
そして本日最後の刻限は、学活。わたしが中心になって文化祭準備のスケジュールを確認するんだ。
人前に出て話すのが苦手なわたしにとっては結構キツイよ……。そんな弱音は心の最奥に隠して、教壇の前に立つ。