冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
「え、えっと……これから文化祭のスケジュール確認を始めます!」
わたしの挨拶で、7限目が始まった。
みんな静かにわたしの話を聞いてくれたから、比較的早くに終わって、今は役割分担をしているところだ。
「それじゃあ次はメイド役を決めます!立候補でも推薦でもどちらでもいいのでやりたい子は手を挙げてください」
推薦でもいい、と言ったのが間違いだった。
クラスメイトが即座に名指しした人物───
それがなんと、
「「「七瀬彩夏さんがいいと思いまーすっ!」」」
一斉に名前を呼ばれて、絶望。
わたしを推薦したこの中にはなぜか男子もいて……。
「な、なんでですか……っ!?」
「えー、そりゃあ七瀬サンが可愛いからだろー」
「ねー、学年イチ可愛い子がメイドをやらなくて何をするっていうのー」