冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
クラスから歓声が上がる。
みんなが喜ぶのなら、これで良かったのかな……。
そうポジティブに考えることにして、わたし以外のメイド役の子も決めていく。
執事役は早乙女くんを中心とするその友達に決まり、裏方志望の子たちの意見も汲み取って役決めを終えた。
学校が終わり、わたしは美結ちゃんにバイバイを言って病院に直行する。
「飛鳥馬麗仁くんと面会しに来ました。今大丈夫ですか」
受付員さんに一言告げて、許可をもらってからエレベーターに乗り込む。
30階のボタンを押して、扉が閉じるのを待つ。
ここは、夜の世界の住民たちの病院。
普通の病院とは違うというのが、エレベーター1つで分かる。金の装飾が施された内装は、肉眼でも膨大なお金がかかっているのが分かり……。