冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
数日ぶりに会った麗仁くんが相変わらずわたしばかりで、少し安心する。
嫌われたかと、思ってたから……。
「……それより、どうしてあの日、病院を抜け出したりしたんですか」
ずっとずっと、不安だった。
麗仁くんに何かあったんじゃないかって。
危険な目に遭っているんじゃないかって。
「……あは、は。ちょっと色々あってね」
ちょっとどころじゃない顔してるよ、麗仁くん。
苦しげに歪められた表情から、麗仁くんがなにか大きなものを背負っているんだって教えられている。
「ここは危険だから、早く太陽の街に戻って。お願い、あやちゃん」
そんな風に懇願されても、わたし、もう麗仁くんの側を離れないよ。