冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
決着の先には──
ここはどこだろう……。
わたし、確か麗仁くんを伊吹くんから守って、それから……。
ああ、だめだ。意識が朦朧としてる。
これ以上何も考えられない。
なんだかもう、疲れたな……。
息をする気力もないかも。
麗仁くん、ごめんなさい。
ずっと側にいたいって言ったのはわたしなのに、わたしから君の元を離れていくなんてね。
皮肉な話だよ、ほんと。
わたしをたくさん罵っていいから、……だからどうか、悲しみの中で殻に閉じこもらないでほしい。
そこで、眩い光に包まれた。
真っ白な光に、目がチカチカしてしまう。
とうとう終りを迎えるのかもしれない。
それならそれで、結構良いかもしれない。