冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
─────
────
「……てください」
「起きて……夏さん、」
「七瀬彩夏さんが目を覚まされました!!」
うーん、なに?うるさいなぁ……。
視界がどんどん開けていく。
わたしの顔を覗き込んでいる人は、……誰?
「んん……、明るい」
寝ぼけ眼で体を起こそうとするけれど、なぜか力が入らない。
「すみれさん……っ良かったですねぇ。彩夏さん、無事に目を覚まされましたよ」
……すみ、れ……?
その名前は、その名前って……。
「お母、さん……?」