冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。


あやちゃんがくれる言葉1つ1つが嬉しくて、
いつもあやちゃんの温もりに幸せを感じてた。
ずっと曖昧なままの関係を続けたおれを
責めたりしないで、何も言わないでくれている
あやちゃんが心の底から愛おしいって思った。
もっとあやちゃんの側にいたい。
……だけど、それはむりみたいだ。

あやちゃんは知らなかっただろうけど、
おれには子供の頃からの持病があってね。
それが再発しちゃったみたいなんだ。
こんな情けない姿、あやちゃんには見せられ
そうにない。
あの日、勝手に病院を抜け出してごめんなさい。
そして、君がまた目を覚まして、おれ以外の誰か
と一緒に幸せになれることを願ってる。

あやちゃんは強いから、優しいから、きっと
すぐに良い相手ができるね。まあ、おれが
愛した女の子なんだから、当たり前か。
もうおれのことは忘れて、幸せになってほしい。
そしてまたいつか、太陽の下で会える日が
来るといいな……。
その日まで、おれ、頑張ってみるよ。
だからあやちゃんも、頑張るんだよ。


ずっとずっと、あやちゃんのことが大好きです。

              麗仁より
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「っぅ、どう、して……っ。どうしてこんな手紙なんか……っ」


麗仁くんはひどすぎるよ、最後に大好きなんて言葉を残して、自分だけ逃げるなんて。

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