冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。


こんなものを読んだ後なら、尚更麗仁くんのこと忘れられない……っ。


持病なんて、きっとわたしの前からいなくなるための言い訳に過ぎないんでしょ……?

うそ、嘘だよね。


あんなに強くて格好良い麗仁くんが、病気だなんて、嘘に決まってる……っ!



「うぇっ、うわぁぁあん〜〜〜うぅ、りとくん……!!戻ってきてよぉぉお……っ」


泣き腫らした目をしたわたしは、きっと醜い。

わたしはいつの間に、こんなにも麗仁くんに溺れていたんだろう。


こんなにも、大好きになっていたのだろう。


わたしを1人にしないって、言ってくれたのに。

大好きだって、言ってくれたのに。


どうして今になって、どこか遠くへ行ってしまうの……っ?

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