冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
すごく愛おしい。
今すぐこの腕に飛び込めて、めちゃくちゃにしてやりたい。
『彩夏の管理不足のせいだろ。おれが謝る義理はない』
『……〜〜っうう、りとくんの意地悪!さいてい、きちく!』
目にいっぱい涙を溜めて、小さな手を震わす姿に思わず手を伸ばした。
だけど、そうしたらあやちゃんの姿は霧のごとく霧散して、消えてしまった。
『あーやか、なにしてんの』
『…っあ!りとくん、ちょうどいい所に来たねっ』
『ん…?』
『ほら、あやがね、りとくんのために作った花冠!どーお?気に入った?』
シロツメクサで編んだその花冠は、世界で1番輝いて見えたんだ。
『…、うん。気に入った』
『わぁ、やったあーー!』