冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。
わたしは本当に、浮かれやすいな。
教室の前まで辿り着いて、ふぅと深い息を吐く。
そして、その扉を開けた。
その瞬間、わっと盛り上がった教室内。
何事!?と思っている内に、みんながわたしの元へ駆け寄ってきて……。
「彩夏ちゃん、無事回復おめでとう〜〜!」
そうやって、満面の笑顔で祝ってくれた。
「あ、ありがとう……っ、」
「あーやかっ!これ、2年3組のみんなから彩夏にプレゼント!」
そう言って、美結ちゃんから手渡されたのは豪華な花束。
感極まって泣いちゃいそうだったけど、何とか堪える。
「…っみんな、本当にありがとう」
みんなのおかげで、不安なんてどこかに吹き飛んじゃったよ。