冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。


ずっと頭の中から消えてくれないのは、麗仁くんのこと。


さすがに、もう許してあげていいんじゃないかな……。

麗仁くんに弱いわたしは、もうすでにそんなことを思っている。


そうしていたら、いつの間にか激しい眠気が襲ってきて……。

コトン、ベッドの上で深い眠りについてしまっていた。


──────
─────


んん、トイレ……。


夢にトイレが出てくる時は、たいてい危ない時。

わたしはすぐさま目を覚まして、体を起こした。


用を足して、また私部屋に戻った時。

何かが頭の中から抜け落ちている気がして、なんだろう?と思ったその直後───


「……っ、麗仁くん!」


大変なことを仕出かしたと、ようやく気づいた。

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