冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない。


「なにが違うの。ほら、言ってみて」


そうしている間にも、麗仁くんのひんやりとした手が服の中に入ってきて……。

カチッ……、胸を締め付けるものが緩んだ。


片手で器用にホックを外すものだから、麗仁くんは女の子慣れしてるんだって思って、悲しくなる。


「……っうぅ、ぁ……っ」

「…っ、なんで泣くの。あやちゃん」


麗仁くんの手が今度はわたしの頬を優しく掠って、涙を拭ってくれる。


「麗仁くん、女の人たちと遊んでるって……ウワサ聞いたことある…っ」


情けない。

言うつもりなかったのに。


それを聞いた麗仁くんの目がスッと細められて、強引に唇を塞がれた。


「…へえ、あやちゃんは、おれのことよりもそのウワサを信じるわけ?」

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