HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
「まぁー…達生さんは樹生君の授かり婚を喜んでいるね」

「はい…まさかの双子で喜びは二倍ですから…」

「調子いいな…」

「・・・すいません…」

康秋さんはチェアから腰を上げて、背後の全面硝子の目を向けた。


見える景色は昼間のシオサイトの街。

「俺が達生さんに恩返しをする日が来たのかな?」

「恩返し?」

俺は神妙に呟いた。

「俺はアイドル時代…達生さんにはお世話になったから…俺は達生さんから…達生さんの夢を引き継いだ」

「父さんの夢?あ、もしかして…アイドルの夢?」

「そうだよ…それもトップアイドルだ…」

康秋さんは強い口調で言った。

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