HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
彼の言葉で背中が凍り付く。

「その顔を見ると知らないようだな…俺と話しようよ…」

私は彼に誘われるまま、院内にあるカフェテラスに入った。

私はカフェオレ、彼はコーヒーを注文した。

「私に話って…?」

「投資に興味ない?」

「投資?興味ありません」

彼は私に儲かる投資話を始めた。

私は一通り話を訊いたが、答えはノーで、即座に断った。

私名義の銀行口座にはお金があるけど、投資回せるほどの資産は持っていない。

毎月、生活費に使えと言われ樹生さんの銀行口座のキャッシュカードを渡されたが、あくまでそれは家族四人の為に使うお金。

私個人のモノではない。
「投資に回せるようなお金はありません」

「君のご主人は御曹司だろ?もしかして、経済的DVか?」

「違います…」

「なら、出せるだろ?」

門脇さんは執拗に食い下がった。

「出さないと言うなら、俺にも考えがあるぞ」
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