HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
「後は柏原課長の指示に従ってくれ。狩野さん」
「あ、はい…色々とありがとうございました」

「じゃ、頑張って…柏原課長のお手柔らかにお願いしますよ」

千堂部長は私を励まして出て行った。

私と柏原課長の二人になる。

「狩野さん…君は…」

コンコンと二度ノックの音がした。

「『営業企画部』に栗原です」

柏原課長は私に何かを訊こうとしたが、不意のノックに語尾を濁した。

「入ってくれ」

「失礼します…」

『営業企画部』の栗原さんと言う方は私の顔を見て驚いた。

「愛川寧々先生??」

「!?」

栗原さんは愛良のペンネーム呟く。

「彼女は新しく入った派遣の狩野恋良さんだ」

「派遣?あ…」

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