HONEYHOLIC（３）リゾートシンデレラ～十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました～

会社のビルから駅前に向いて歩いて十分ほどの場所にある飲み屋街の一角の居酒屋が私の歓迎会場所。

今日は金曜日のアフターファイブとあり、店内は多くの人たちで賑わっていた。

奥の座敷を貸し切っての歓迎会。

「すまない…」

課長は残業で遅れての参加となった。

「課長も揃ったところで…幹事の俺、三本が乾杯の音頭を取らせていただきます！！」

「その前に狩野さんから一言、皆に言った方がいいんじゃないのか？」

課長の勧めで、乾杯の音頭の前に私が挨拶をした。

「本日はありがとうございます…これから頑張って仕事にまい進したいと思いますので、よろしくお願いします…」

唯の派遣社員の私に歓迎会までしてくれる二課の皆の気持ちが嬉しかった。

「じゃ乾杯！！」

「狩野…」

隣に座る課長が私のグラスにグラスを寄せて来た。

二人でカチンとグラスを合わせて、課長はビールの中ジョッキ、私はレモンチューハイを飲んだ。