HONEYHOLIC（３）リゾートシンデレラ～十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました～

こんなガヤガヤした場所よりも課長には静かなバーが似合いそうだけど。

課長はこの庶民的な雰囲気にも馴染み、楽しそうにしていた。

「課長…何だか…狩野さんには優しいですが…好みのタイプなんですか？？」

お酒に弱いのか日下さんは既に赤い顔になり、課長に絡んできた。

課長は日下さんの質問に噎せ、ズボンを濡らしてしまった。

「日下お前なぁ！？」

「大丈夫ですか？課長」

私は慌てて課長の濡れたズボンをお手拭きで拭いた。

「だ、大丈夫だ…狩野…自分で拭く…」

課長は私の手を制して、テーブルに置いていた自分のお手拭きでズボンを拭いた。

酔った日下さんの問題発言もあったが、二時間の歓迎会はあっと言う間に終わった。

会計はすべて課長の奢りになり、最初に徴収していた会費は週明け、返金される事になった。

三本さんの言い出して、二次会のカラオケに繰り出すメンバーもいた。