HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
何だろう…

私たちは互いに気まずい空気を吸っていた。

私も彼に仄かな恋心を抱いていた。

彼も同じ気持ちなのかもしれない。

素直になれば、私たちは偽恋人の関係から脱げ出せるのに。


「じゃまた…」

「えっ?あ…」

彼は踵を返して、目の前のメトロ線に続く階段を下りてしまった。


ーーー私たちの関係は終わりを告げる夏と一緒に完全に終わったんだ。


私も改札口を潜り、自宅へと帰って行った。

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