HONEYHOLIC(3)リゾートシンデレラ~十月十日の結婚生活。ひと夏の偽恋人でしたが、双子を授かりました~
「氷室さんのように美人な方がおられるなら、彼女に偽恋人を頼めばいいのに…」

「君は何を言ってるの?」

「・・・今日はお誕生日で氷室さんからプレゼント貰いましたよね…」

「・・・見てたの?」

「まぁー・・・」

「ふうん・・・でも、誕生日は昨日だ…」

「えっ?あ・・・そうなんだ」

樹生さんのグーズグレーの瞳がきらりと怪しく輝く。
その輝きは甘い光を孕む。

「君は俺と氷室さんの仲が気になったの?どうして?」

「別に…」

「俺の事が気になってる証拠?」

彼は誤解していた。

「誤解です」

「弁解しても無駄だ…」

彼はチェアから立ち上がって、私に近づく。

後ずさって逃げようとしたが、あっという間に抱き締められてしまった。
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