肉を斬らせて骨を断つ
酔っ払って若い女に絡むと面倒だって、身を持って知れば良い。
黒い考えに、拳を作る。
それが相手に届く前に、あたしは引き離された。
後ろに引っ張られ、男の手が離れる。
振り向けば、純玲が居た。
「絡まれてるのが見えたから」
なんで? と聞く前に理由が降ってくる。
「あ、課長! また若い子に話しかけて! 本当にすみません! 行きますよ!」
男は部下のようなスーツ姿に捕まえられ回収されていった。
殴り損ねた。作った拳の行く末がなく、ぽす、と純玲の肩に当てた。
「ありがと」