肉を斬らせて骨を断つ

冗談だけど。真面目に純玲は答えてくる。

ずっと思っていたことを口にしてみる。

「純玲って、綺麗な名前だね」
「……両親は」

こちらを見る目と合った。

「上が三人男だったから、女子が欲しかったらしい。だから先に名前をつけた。女みたいだろう」

自嘲する純玲が目を逸らす。

「生まれてきてやってんだから、有り難く思えって感じじゃない?」

その視線がまたこちらに戻った。

「確かに、その精神は大事だな」

噴き出すように笑うので、純玲はよく笑う人間なんだなと知った。

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