肉を斬らせて骨を断つ
「夕顔純玲だよ、有名じゃん」
「あたしとどっちが有名?」
「それはあんただな」
同じ学部の友人、雲母が呆れたように笑う。
「夕顔? すごい名前。花と花」
「なんかお家柄良いとこの息子さんらしいよ。よく知らんけど。なんで?」
「この前、駅の前で伸びてたら声かけてくれた」
ラウンジの端で次のコマまで時間を潰してるあたしたちは、テーブルにコンビニ菓子を広げていた。
そのラウンジの真ん中辺りに、意識の高そうな男女のグループが居た。その中に、見覚えのある顔を見た。
あの善人。