肉を斬らせて骨を断つ

神様って全部見てるんだと思う。

「すごく、怖かった」

純玲があたしの手に触れようとして、途中で止まった。

「冴と連絡がつかなくなって。愛想を尽かされても良いけど、もし」
「死んでなくて、残念だった?」
「何言ってるんだ」
「あたしは、死んどけば良かったと思った。お金かかるし、純玲の相手するの面倒くさくなっちゃったし」

あたしは窓の外を見てから笑う。
そして純玲に視線を向けた。

鬱陶しいな。
なんでそんな辛いみたいな顔、あんたがすんの?
生きてくのも精一杯なあたしの方が、ずっと。

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