肉を斬らせて骨を断つ

誰か。

誰か、助けて。

純玲が好きだと思う。

優しくしてくれた。
こんなところまで来てくれた。
心配してくれた。

さっき触れないでいてくれたのは、あたしのことを考えてくれたから。

涙が溢れて止まらない。

きっと夏休み明けには、純玲は違う女子と肩を並べてるんだろう。
一緒に勉強したりして、就職して、いつか結婚して。
普通の幸せな生活を送る。

そこに、あたしは居ない。居ない方が良い。

息を吸う。努めて、緩やかに吐く。
う、と声が漏れる。

流れた涙を枕が吸った。

行かないで、純玲。

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