肉を斬らせて骨を断つ

なるほどねえ、お家柄宜しいのか。善行は家訓か何かだろうか。

「え、あの顔ぶん殴られてた時の?」
「やばかったよね。死んだと思った」
「声かけるのもすごいけどさあ……(さえ)があいつと別れて良かったよ」

雲母が少し顔を暗くする。

「うん?」
「だって事ある毎に暴れてさ、冴に当たったりとかして」
「まあ羽振り良かったし。あたしも甘い汁啜ってたんだから、そこはとんとんだよ」

クッキーをひとつ摘む。口の中ってすごくて、切った数日にはもう血が傷口が小さくなっていた。

「……あんたさ、あんまり危ないことしない方が良いよ」

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