肉を斬らせて骨を断つ

気付けば立ち上がり、病室の扉を開いていた。

ぼろぼろと涙が溢れたままの酷い顔で。

もう居るはずがないとその扉の向こうの想像して。

純玲を追って、どうしたいか分からない。

謝るの? 酷いこと言ってごめんって? でもあたしがしたことは変わらないのに。

純玲はそこに居た。

多分、あたしと同じような顔をしてた。

泣いていた。

「え?」

同じように泣いてたあたしが驚くくらいには泣いていた。

「そんなこと、言われても」

純玲が口を開く。

< 70 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop