肉を斬らせて骨を断つ
病院を出ると、後ろからあたしの少ない荷物を持って純玲が着いてくる。
「荷物、ありがとう」
「送る」
受け取ろうとした荷物が引かれる。すたすたと純玲が行ってしまう。
入院生活ですっかり身体が重くなり、ゆっくりその後を追う。それに気付いたのか、純玲はぴたりと止まってから、こちらに戻ってきた。
「手を、繋ぎたい」
手を差し出され、言われる。
「え、許可制?」
「されて嫌なことがあるかもしれないだろ」
「じゃああたしがちゅーしたい時も聞かないといけないんだ」
「それはいらない。冴にされて嫌なことはない」
その手を握った。