肉を斬らせて骨を断つ
ばいばい。
さよなら。
痛いほどに辛いけれど。
それはあたしの一部で、でももう無くても大丈夫。
「い、一緒に、いたい。居ても、良い?」
あたしの問いに、純玲は穏やかに笑った。
「当たり前だ」
それがどんなに奇跡に近いことか、純玲は知らないだろうけれど、それでも良い。
「あ、あと」
「うん」
「ハンカチは、出世払いで良い……?」
マスカラで黒くなったハンカチを見て、純玲が肩を震わせてから、声を出して笑った。
「いや、いい。ハンカチは、洗ってまた使ってくれ」
その日、あたしは眩しい白いハンカチをもらった。