肉を斬らせて骨を断つ
エピローグ
見たことのない矢を純玲は素手で掴む。
抜こうと試みて、少し動かすだけで酷い痛みを感じた。
なんだこれは。
なんだこの感覚。
「今度、家に来ないか?」
冴はきょとんとした顔で純玲を見た。
「え、もしかして」
「……冴が良ければ」
「名前の文句でもつけにいくの? いいよ、応戦する」
彼女の家に入り浸るようになった純玲は、その返答に複雑な顔をする。
あれ、違ったか、と冴が参考書を置いた。
漸く傷も治り、裁判諸々も終えた。そんな中でもけろりとした顔で冴は勉強していた。
何故いつも通りしていられるのか尋ねれば、慣れたと一言。