肉を斬らせて骨を断つ
大学二年生になったけれど、あたしは雲母以外に、あんまり仲の良い友達は居ない。
あたしに纏わる噂が広がっているらしく、普通に普通の大学生をしたい人間は近づいてこない。
借金取りに追われていて、水商売してて、裏口入学して、男の家を転々としてて、関わると禄なことがない。
殆ど合ってて、笑える。
「下手したら死んじゃうよ」
死ねたら良いよ、とは口にしなかった。
「大丈夫だって」
死ぬより辛い地獄を知ってるから。
「てかそれよりさあ、この前の客でやばい奴いたんだよねー」
話を逸らすと、雲母の顔色は戻った。