肉を斬らせて骨を断つ
「そんな紹介の仕方はしない」
「やだ」
即座に否定され、純玲は頷いた。
「じゃあ明後日行こう」
「はあ?」
「俺より頭が良くて、可愛い女性だと伝えた」
「は……はあ!?」
ぱくぱくと口を開閉し、冴は眉を顰める。
純玲は至って真面目だ。
きっとそういうことだ。
この矢は、骨をも貫通しているだろう。
ぷるぷると震えた冴は何かを呟く。
「え?」
「黒染め買ってきて!」
「いや、そのままでも」
「こんな色抜けた茶髪じゃ行かないから! 早く買ってきて!」
「わかった」
すぐに純玲は家を出て、ドラッグストアにてカラー剤を買い戻った。