肉を斬らせて骨を断つ

「そんな紹介の仕方はしない」
「やだ」

即座に否定され、純玲は頷いた。

「じゃあ明後日行こう」
「はあ?」
「俺より頭が良くて、可愛い女性だと伝えた」
「は……はあ!?」

ぱくぱくと口を開閉し、冴は眉を顰める。
純玲は至って真面目だ。

きっとそういうことだ。
この矢は、骨をも貫通しているだろう。

ぷるぷると震えた冴は何かを呟く。

「え?」
「黒染め買ってきて!」
「いや、そのままでも」
「こんな色抜けた茶髪じゃ行かないから! 早く買ってきて!」
「わかった」

すぐに純玲は家を出て、ドラッグストアにてカラー剤を買い戻った。

< 81 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop