嫌われ令嬢が冷酷公爵に嫁ぐ話~幸せになるおまじない~
4 友人
マイアはドレスを着こみ、王国のとある屋敷に訪れた。
隣を見上げると、よい姿勢で歩くジョシュアの姿がある。
「ぎこちないな、マイア。もう少し堂々と歩くといい」
「は、はい!」
未だにマイアと呼ばれることに慣れていない。
耳の端まで真っ赤になってしまう。
「あの、ジョシュア様。この屋敷で茶会をするのですよね?」
「そうだ。まあ、今回は社交というよりも個人的な付き合いだな。古くからの友人に招かれた」
古くからの友人。
ジョシュアはそう語った。
貴族の界隈には詳しくないので、家紋で血筋を判別することはできない。
この屋敷の家紋を見ても、マイアはどの家系のものかわからなかった。
屋敷の入り口で、使用人と思わしき者が出迎える。
「お待ちしておりました、ジョシュア様。
……そちらの方は?」
「俺の婚約者だ」
直球に婚約者と言われ、マイアの鼓動が高鳴った。
しかしここは婚約者然とした態度を。
彼女は澄ました顔をして佇む。
「……! それはおめでとうございます!
なんとお美しい……ささ、どうぞ中へ」
使用人は満面の笑みを浮かべて、二人を中へ招き入れた。
ジョシュアが頑なに結婚しようとしないことを、彼を知る人々は憂いていたのだ。
中は予想通り、かなりの豪邸だった。
ジョシュアの城と遜色ない豪華さだ。
お茶会……と聞いていたものの。
マイアとジョシュア以外、通された居間には誰もいなかった。
ジョシュアの隣でおとなしく待っていると、なにやらドタドタと階段を駆け下りる音が聞こえてきて……
隣を見上げると、よい姿勢で歩くジョシュアの姿がある。
「ぎこちないな、マイア。もう少し堂々と歩くといい」
「は、はい!」
未だにマイアと呼ばれることに慣れていない。
耳の端まで真っ赤になってしまう。
「あの、ジョシュア様。この屋敷で茶会をするのですよね?」
「そうだ。まあ、今回は社交というよりも個人的な付き合いだな。古くからの友人に招かれた」
古くからの友人。
ジョシュアはそう語った。
貴族の界隈には詳しくないので、家紋で血筋を判別することはできない。
この屋敷の家紋を見ても、マイアはどの家系のものかわからなかった。
屋敷の入り口で、使用人と思わしき者が出迎える。
「お待ちしておりました、ジョシュア様。
……そちらの方は?」
「俺の婚約者だ」
直球に婚約者と言われ、マイアの鼓動が高鳴った。
しかしここは婚約者然とした態度を。
彼女は澄ました顔をして佇む。
「……! それはおめでとうございます!
なんとお美しい……ささ、どうぞ中へ」
使用人は満面の笑みを浮かべて、二人を中へ招き入れた。
ジョシュアが頑なに結婚しようとしないことを、彼を知る人々は憂いていたのだ。
中は予想通り、かなりの豪邸だった。
ジョシュアの城と遜色ない豪華さだ。
お茶会……と聞いていたものの。
マイアとジョシュア以外、通された居間には誰もいなかった。
ジョシュアの隣でおとなしく待っていると、なにやらドタドタと階段を駆け下りる音が聞こえてきて……