嫌われ令嬢が冷酷公爵に嫁ぐ話~幸せになるおまじない~
一階に戻ると、ジョシュアとジャックは真剣な面持ちで何か話し込んでいた。
しかし、マイアとエイミーの姿を見ると口を閉ざす。
「お、エイミーにマイアさん! お話は充分できたかな?」
「ええ、おかげさまで。マイアさん、お話ししていてとても楽しい方ですのよ」
エイミーの賞賛を聞いて、ジョシュアは「そうだろう」とでも言いたげな様子で頷いている。
「ジョシュアときたらさ、こんな茶会でも政務の話ばっかりだ。ま、いつものことだけど」
「仕方ないだろう。二人でなければ話し合えないこともある。今は忙しい時期なんだ。それに世間話もできただろう」
マイアはそういう真面目なところも含めて、ジョシュアの魅力だと思っている。彼を堅物などと揶揄する人は、彼の苦労を知らないのだ。
ジョシュアは立ち上がって服の裾を直す。
「さて、そろそろ失礼しようか。マイアもエイミー嬢から、ためになる話を聞けただろう」
「はい、とっても楽しかったです!」
今回、エイミーから聞いた情報や作法が役に立つといいのだが。
二人が去ろうとすると、ジャックも立ち上がった。
「せっかくだし屋敷の外まで見送るよ」
「いや……ジャック、君は仮にも王族だ。無闇に屋敷から出ようとするのはやめた方が」
「あー出た出た、ジョシュアの度が過ぎる忠告! 大丈夫だって。ほら行くぞ」
ジャックに強引に腕を引っ張られ、ジョシュアは出口に向かっていく。ジョシュアは「俺は本気で君を心配しているんだが……」とでも言いたげに眉をひそめていた。
「ジャック殿下、お元気な方ですね」
「元気じゃなくてうるさいのよ。昔からずっと変わらないわ」
マイアとエイミーは二人を微笑ましく見守っていた。
王族ながら、ジャックの性格には惹かれる溌剌さがある。あれがカリスマというやつだろうか。
もちろんジョシュアにだって別系統のカリスマが溢れている。あの二人のように、マイアもエイミーと仲良くなれたらと思う。
しかし、マイアとエイミーの姿を見ると口を閉ざす。
「お、エイミーにマイアさん! お話は充分できたかな?」
「ええ、おかげさまで。マイアさん、お話ししていてとても楽しい方ですのよ」
エイミーの賞賛を聞いて、ジョシュアは「そうだろう」とでも言いたげな様子で頷いている。
「ジョシュアときたらさ、こんな茶会でも政務の話ばっかりだ。ま、いつものことだけど」
「仕方ないだろう。二人でなければ話し合えないこともある。今は忙しい時期なんだ。それに世間話もできただろう」
マイアはそういう真面目なところも含めて、ジョシュアの魅力だと思っている。彼を堅物などと揶揄する人は、彼の苦労を知らないのだ。
ジョシュアは立ち上がって服の裾を直す。
「さて、そろそろ失礼しようか。マイアもエイミー嬢から、ためになる話を聞けただろう」
「はい、とっても楽しかったです!」
今回、エイミーから聞いた情報や作法が役に立つといいのだが。
二人が去ろうとすると、ジャックも立ち上がった。
「せっかくだし屋敷の外まで見送るよ」
「いや……ジャック、君は仮にも王族だ。無闇に屋敷から出ようとするのはやめた方が」
「あー出た出た、ジョシュアの度が過ぎる忠告! 大丈夫だって。ほら行くぞ」
ジャックに強引に腕を引っ張られ、ジョシュアは出口に向かっていく。ジョシュアは「俺は本気で君を心配しているんだが……」とでも言いたげに眉をひそめていた。
「ジャック殿下、お元気な方ですね」
「元気じゃなくてうるさいのよ。昔からずっと変わらないわ」
マイアとエイミーは二人を微笑ましく見守っていた。
王族ながら、ジャックの性格には惹かれる溌剌さがある。あれがカリスマというやつだろうか。
もちろんジョシュアにだって別系統のカリスマが溢れている。あの二人のように、マイアもエイミーと仲良くなれたらと思う。