嫌われ令嬢が冷酷公爵に嫁ぐ話~幸せになるおまじない~
5 二人の愛
「うぅ……」
夜会当日。
マイアは緊張していた。
エイミーからいろいろ教えてもらって、緊張しないと決心したのにもかかわらず。
なにせ自分は評判の悪い人間だ。
おまけに社交界に出たことがない。
そんなマイアが、いきなり公爵夫人として紹介されたらどうだろう。周りの貴族はきっといい顔をしない。
「マイア様、お時間ですよ」
「セーレ……わかっているわ。今行く」
だがしかし、ジョシュアを待たせるわけにもいかず。彼女は着慣れていないドレスを入念にチェックした。
そんな彼女を見て、セーレは微笑んだ。
「大丈夫です。マイア様の近くには旦那様がいてくださいますから。マイア様はいつも通り、普段と変わらない振る舞いを」
「そうよね……うん、大丈夫。だって私には誰よりも優しいジョシュア様がついているのだから!」
マイアの役目は最初から変わらない。
ジョシュアの妻として振る舞うこと。
笑顔を浮かべて愛想よく振る舞えばいいだけなのだ。
「ねえセーレ、笑顔はどうかしら?」
マイアは愛想のよい笑みを浮かべた。
「はい、とってもかわいらしいです! これはジョシュア様も大好きになってしまうのも納得ですね!」
「そ、そう? じゃあ……この足さばきは?」
続いて、マイアは今日の夜会に向けて練習したダンスを披露する。セーレに教えてもらったのだ。
ジョシュアに迷惑をかけないよう、できるだけ完璧なダンスを身につけたはず。
「はい、とっても綺麗です! これは他の貴族の方々を圧倒してしまうかと!」
「ふふ……セーレは褒め上手ね。でもありがとう。あなたのおかげで少し自信が持てたわ」
準備は万全だ。
あとは全力でエスコートに応えるだけ。
「それでは行ってきます」
「はい、お気をつけて」
セーレに見送られ、マイアは馬車に向かった。
夜会当日。
マイアは緊張していた。
エイミーからいろいろ教えてもらって、緊張しないと決心したのにもかかわらず。
なにせ自分は評判の悪い人間だ。
おまけに社交界に出たことがない。
そんなマイアが、いきなり公爵夫人として紹介されたらどうだろう。周りの貴族はきっといい顔をしない。
「マイア様、お時間ですよ」
「セーレ……わかっているわ。今行く」
だがしかし、ジョシュアを待たせるわけにもいかず。彼女は着慣れていないドレスを入念にチェックした。
そんな彼女を見て、セーレは微笑んだ。
「大丈夫です。マイア様の近くには旦那様がいてくださいますから。マイア様はいつも通り、普段と変わらない振る舞いを」
「そうよね……うん、大丈夫。だって私には誰よりも優しいジョシュア様がついているのだから!」
マイアの役目は最初から変わらない。
ジョシュアの妻として振る舞うこと。
笑顔を浮かべて愛想よく振る舞えばいいだけなのだ。
「ねえセーレ、笑顔はどうかしら?」
マイアは愛想のよい笑みを浮かべた。
「はい、とってもかわいらしいです! これはジョシュア様も大好きになってしまうのも納得ですね!」
「そ、そう? じゃあ……この足さばきは?」
続いて、マイアは今日の夜会に向けて練習したダンスを披露する。セーレに教えてもらったのだ。
ジョシュアに迷惑をかけないよう、できるだけ完璧なダンスを身につけたはず。
「はい、とっても綺麗です! これは他の貴族の方々を圧倒してしまうかと!」
「ふふ……セーレは褒め上手ね。でもありがとう。あなたのおかげで少し自信が持てたわ」
準備は万全だ。
あとは全力でエスコートに応えるだけ。
「それでは行ってきます」
「はい、お気をつけて」
セーレに見送られ、マイアは馬車に向かった。