モナコから出られない!
戸惑う私はルイさんに腰を抱かれ、空港から出る。空港を出ると目の前にはリムジンが止まっていて、私はその中に強引に乗せられる。

「ルイさん?あの、これは一体どういうことですか?私は日本に帰らないと……」

私が必死に訴えかけると、ルイさんに強く抱き締められる。ルイさんの腕の中に閉じ込められて、身動きが取れない。

「二乃、やっぱりダメだ。君のことを諦められない」

「そ、そんなことを言われても、私は……」

モナコと日本。ヨーロッパとアジアなんて、あまりにも離れすぎている。ルイさんに対する気持ちがあるなしに関わらず、交際するなんて無理だ。

「ルイさん、離してください!日本へ帰らないと!」

私はルイさんの腕の中から脱出しようと、胸板を両手で強く押す。でもそれは無駄な抵抗だった。

「出して」

ルイさんが一言そう言うと、リムジンは動き出してどんどん空港を離れていく。一体私はどこに連れて行かれるんだろう。そんな不安から手が震えていった。
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