モナコから出られない!
歩きながらイケメンさんは自己紹介をしてくれた。名前はルイ・ボヌフォワさん。イケメンさんは名前までイケメンだった。私も自己紹介をすると、「素敵な名前だね」とまた褒められてしまった……。

「僕はずっとモナコ暮らしだから、どこでも案内できるよ。観光地からおいしいスイーツが食べられるカフェまでね」

「頼もしいです!よろしくお願いします!」

「エスコートは任せてください。お姫様」

「へっ?」

ルイさんは私の手を取り、手の甲にキスをする……。それだけでまるで映画のワンシーンみたいに綺麗で、見惚れてしまう。まさか自分にこんな夢のような出来事が起こるなんて信じられなくて、でも唇の感触はしっかりこの手に残っていて……。

「あっ……」

「日本人はシャイだって聞いたことがあるけど、本当みたいだね。とても可憐だ」

まるで恋人にするかのような自然な流れで甘い言葉を囁いてくる。すごくドキドキして恋に落ちたみたいな気持ちになるけど、これって揶揄われてる?日本人って愛情表現慣れてないから面白いのかしら?
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