モナコから出られない!
しかし、ルイさんはちゃんと私が行きたかったグレースケリーの大聖堂へ案内してくれた。精巧な装飾が施された大聖堂は立派で息を呑むほど綺麗……。

「ここは歴代のモナコ太公が眠っていて、結婚式もここで行うんだ」

「こんなに素敵なところで式を挙げられるなんて、一生忘れることはできませんね。モナコには王様がいるんですね」

大聖堂を見た後、近くにあるカフェに案内された一休みした。ルイさんおすすめのモナコスイーツを一緒に頼んだ。ガトーモナコと言って、ロールケーキを側面に敷き詰めて、ムースを流し込んだケーキだ。

「ねえ、二乃」

「はい、ルイさんどうしましたか?」

初めて見るケーキを見ている私に、ルイさんは真剣な表情で話しかけてくる。イケメンってどんな表情でも様になるって本当なのね。

「二乃はいつまでモナコにいるつもりなの?」

「三泊四日の予定です」

そう私が言うと、手を優しく包まれた。ルイさんの顔は真っ赤で、多分私も突然触れられたことに真っ赤になってると思う。
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