モナコから出られない!
「……ねえ、二乃は恋人がいたりするの?」

ルイさんにそう訊ねられ、私はすぐに「いませんよ」と返す。高校生だった頃付き合っていた人はいたけど、すぐに浮気されちゃってそこから恋愛には消極的になってしまった。

「君のことが好きって言ったら迷惑?」

気が付いたら私の手の上にルイさんの大きな手が重ねられていた。突然の告白に驚く私に、ルイさんは甘く熱を含んだ目で私を見つめる。その目を見ていたら、嫌でもわかる。ルイさんは私に冗談でこんな話をしてるんじゃないってことが……。

「本気で、二乃のことが好きなんだ。出会っただし、お互い知らないことも多い。それに二乃は明日日本に帰ってしまう。でも、僕は君が好きだ。この気持ちは嘘じゃない。本気で二乃に恋してる。……ダメ、かな?」

胸の中が熱い。こんなロマンチックで情熱的な告白をされたのは生まれて初めてで、しかも相手はとってもかっこよくて、女の子がみんな憧れる王道の少女漫画みたいな話だ。胸の高鳴りがやまない。でも、この感情は多分ーーー。
< 7 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop