極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
翔琉さんの腕の感触。背中から体温が伝わってきて、抱き支えてくれているのだとわかった。
必死に呼びかけてくれるけれど、答えるだけの体力が残っていない。
息がうまく吸えなくて声が出ない。体中の血管がどくどくと脈打ち、全力で異常を訴えている。
ああ、とうとう倒れてしまった。終わりを告げられたかのような絶望感に襲われた。
「今救急車を――」
――待って。
意識を失う前になんとか伝えたくて、重たい手を持ち上げる。
携帯端末を操作する彼の袖を、震える手で引っ張った。
「星奈?」
視界がかすみ思考が鈍る中、声を絞り出す。
「翔琉さん……ごめんなさ……」
ずっと隠していたことをとにかくあやまりたかった。
もっと早くに打ち明けるべきだった。迷惑をかけてしまう前に。
「こんなときになに言って――」
しかし、私が口を開閉させているのを見て、なにか言いたいことがあるのだと気づく。
私の口もとに、耳を寄せてくれた。
「京楼大学病院の、伏見……影彦……教授に」
「え……?」
翔琉さんが目を見開く。
私の病は普通の病院では対処できない。専門家でなければ、この発作の原因は突き止められない。
「私の名前を……伝えて」
それだけ口にすると力が抜け、意識を保てなくなった。
必死に呼びかけてくれるけれど、答えるだけの体力が残っていない。
息がうまく吸えなくて声が出ない。体中の血管がどくどくと脈打ち、全力で異常を訴えている。
ああ、とうとう倒れてしまった。終わりを告げられたかのような絶望感に襲われた。
「今救急車を――」
――待って。
意識を失う前になんとか伝えたくて、重たい手を持ち上げる。
携帯端末を操作する彼の袖を、震える手で引っ張った。
「星奈?」
視界がかすみ思考が鈍る中、声を絞り出す。
「翔琉さん……ごめんなさ……」
ずっと隠していたことをとにかくあやまりたかった。
もっと早くに打ち明けるべきだった。迷惑をかけてしまう前に。
「こんなときになに言って――」
しかし、私が口を開閉させているのを見て、なにか言いたいことがあるのだと気づく。
私の口もとに、耳を寄せてくれた。
「京楼大学病院の、伏見……影彦……教授に」
「え……?」
翔琉さんが目を見開く。
私の病は普通の病院では対処できない。専門家でなければ、この発作の原因は突き止められない。
「私の名前を……伝えて」
それだけ口にすると力が抜け、意識を保てなくなった。