極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚～余命０年の君を、生涯愛し抜く～

思わずふふっと笑みをこぼす。

「でも、どうしてそこまで私を？」

想いを告げ合って、まだ一カ月程度しか経っていないのに、そこまで私に執着するのはなぜだろう。情に厚く義理堅い彼らしいと言えばらしいけれど。

「さあ、どうしてかな。運命かなにかだったんじゃない？」

ごまかすようにそう答えて、あどけない笑みを浮かべた。



一週間後、退院の許可が下りた。安静が条件で、一日の大半は体を休めていなければならないけれど、負担のかからない家事なら体調を考慮しつつこなしてもいいと言われた。

翔琉さんの自宅は会社からほど近い立派なタワーマンション。上層階に住んでいて、リビングからは都心のビル群が望める。

一面にとられた窓から見える夜景は圧巻で、シックなインテリアが気分を盛り立ててくれる。

夜、部屋の灯りを消して窓辺に立つと、無数のライトが階下で瞬いていて、空を飛んでいるような浮遊感を得られる。

「星奈。そんなに立っていて大丈夫か？」

退院したその日の夜。窓辺に立ってずっと夜景を眺めている私に、翔琉さんは心配して声をかけた。