極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「ええ。すごく綺麗なんですもの。星空が足もとに広がっているみたいで」

夢中になる私をくすくす笑いながら、彼も窓辺にやってくる。

「焦らずとも毎日見られるよ。久しぶりに病院を出て疲れているんだから、ちゃんと横になってて」

そう言ってソファに横になるよう促した。

リビングにあるソファはとても大きくて、私が寝転がってもまだ余裕がある。

彼も隣に座って、満面の笑みで私を見下ろす。

「夢みたいです。こんな素敵なお家に住めるなんて」

映画の中でしか見たことがないようなオシャレなインテリアを眺めて、うっとりと息をつく。

でも一番嬉しいのは、彼がずっと隣にいてくれること。

退院日の今日、翔琉さんは会社を休み、一日付き添ってくれた。

明日、明後日は土日でお休み。翔琉さんは社長に就任して以来、初めての三連休をもらったそうだ。

「せっかくの連休なのにずっとお家の中ですみません……」

彼はしゅんとする私を見つめ、目尻に皺を寄せてくしゃっと笑う。

「三日間、ずっと一緒にいられるんだろ? こんなに幸せなことってある?」

屈託のない笑みで返され、まいってしまう。翔琉さんの気遣いは、いつも私の考えの上を行く。
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