極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「だが明日、明後日で家に慣れてもらわないと。さすがに月曜までは休めなさそうだ」

平日、私はこの家でひとりお留守番することになる。問題なく過ごせるように、キッチンや家電の使い方などを覚えておかなければ。

「まあ、いざとなったらコンシェルジュを呼んでくれればいい。話は通してある。それから腕時計は外さないでおいてね」

そう言って自身の手首を指さしてとんとんと叩く。

私は左腕の時計をかざして「わかりました」と頷いた。

この時計には位置情報はもちろん、心拍数や血中の酸素濃度の記録、転倒検出機能などがついていて、異常な数値が出ればマンションに併設されているクリニックに連絡がいくようになっている。医師や看護師の往診も可能だ。

マンションが提供するサービスのひとつで、ひとり暮らしをする高齢者や体調に不安を抱えている住居者の見守りを目的としている。

当初は翔琉さんが不在の間は使用人を雇う予定だったけれど、さすがに大袈裟すぎると私が拒んだ。結果、このサービスを利用しようという話になった。

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