極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
第八章 手放すつもりはないので、プロポーズの返事はいりません
夢のような週末が過ぎ、月曜日がやってきた。
「おはようございます」
朝七時。キッチンで朝食を作っているところに、彼がやってきた。
さらりとした素材のラフな白シャツに、グレーのイージーパンツを履いている。寝間着姿の彼も格好いい。
「星奈……」
けれど彼は、私の姿を目にするなり困った顔で額に手を当てた。
「ゆっくり眠っていていいって言っただろう? 朝食作りは俺の仕事だ」
キッチンにやってきて、私を背後から抱きすくめる。
かと思えば、私の体を調理台の外にどけて、料理の主導権を奪った。
「昨夜は早く寝たから、目が覚めてしまったんです。それに今日はなんだかとても具合がよくて」
「それならいいけど」
とは言いつつも、彼はまだ不満そうな顔で、人さし指の先をつんと私の頬に当てた。
「俺が作った朝食を、星奈に食べてもらいたかったのに。楽しみを奪った自覚ある?」
彼なりの計画があったらしい。なんだか少し照れくさい。
「もう少し私が元気になったら、その役目、変わってくださいね」
そう念を押して、出来上がったサラダをダイニングテーブルに運ぶ。