極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
彼がトーストに焼きベーコンとチーズ、ポーチドエッグを載せて、エッグベネディクト風トーストを作ってくれた。

「おいしそう」

「おいしいよ」

まだ口にしてもないのに自信満々な彼がかわいい。

ダイニングテーブルに向き合って座り、いただきますと手を合わせる。

彼の作ったトーストは宣言通り、とてもおいしかった。

「今夜は会食があって遅くなりそうなんだ。昼食と夕食はコンシェルジュに運ばせるから、君はしっかり安静にして過ごして」

この広い家にひとりきり、丸一日彼とお別れだ。

ほんのり寂しい気持ちが湧いてくるけれど、彼には仕事に集中してもらいたいので、私は元気よく「わかりました」と応じた。

彼が箸を置き、おもむろに真剣な表情になる。

「真面目な星奈にとって、なにもするなって方が苦痛だと思う。でも、どうかそれが仕事だと思って安静にしててくれ。悪化したら苦しむのは俺だと思って」

自分を引き合いに出した方が、説得には効果的だと知っているのだろう。

確かにそんな言い方をされては無理はできない。

「夜はなるべく家で作業できるようにする。ただ外せない会食は――」

「翔琉さん」

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