極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
そのとき確実に翔琉さんが傍にいるとも限らない。

稀にだけど、海外出張や遠くの支社に顔を出すときもある。駆けつけたくても物理的な距離があったら不可能だ。

「俺としても、星奈のお母さんとはもっと仲良くしておきたいし」

彼のひと言に私は「え」と眉をひそめる。

「この先、一生お付き合いしていく相手だろう? きちんとコミュニケーションを取っておいた方が、あとあと助かるはずだ」

……今、さりげなく結婚を前提に話を進めた?

わざわざ問いただすのも躊躇われ、口の中のパンをごっくんと飲み込んだ。

「星奈の調子がよければ、週末にでもお母さんを招いて一緒にご飯をと思うんだが」

「はい……よろしくお願いします。母の予定、聞いておきます」

「あ、大丈夫。予定は聞いてあるから」

え、と目を丸くする。翔琉さんが見せてくれた携帯端末のメッセージ画面には、母とのやり取りが長々と記録されていた。私への連絡より多いんじゃない……?

「母が申し訳ありません……」

「息子ができたみたいで楽しいってさ」

快活に笑う翔琉さんに、私は深々と頭を下げてお礼を告げる。

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