極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚～余命０年の君を、生涯愛し抜く～
「大変だったでしょう。たくさん気苦労をされたのだと思います。でも星奈さんは立派に育ちました。お母さんが頑張ってくださったおかげです」

翔琉さんの言葉に、母は体を丸めて肩を震わせた。私の目にも涙がたまっていて、溢れないよう堪えるのに必死だ。

翔琉さんはソファから立ち上がり、母の前に膝をついて労うように肩に手を置く。

母に感謝してくれた翔琉さんに、私も感謝が言いたくなった。

「翔琉さん、ありがとう」

彼はこちらを見て、目を細めて笑みをこぼす。

私まで泣きそうになっているのがバレバレだったのだろう。私の頭もぽんぽんと撫で、母とあわせて労ってくれた。



母が落ち着いたあと、マンションに併設されているレストランから昼食をデリバリーした。

三人でのんびり話をしながら、食事をしてお茶を飲んでおやつを食べて。母は十六時頃「お夕飯を作らなくちゃ」と言って帰っていった。

「星奈。嫌じゃなかった？」

翔琉さんにそんなことを尋ねられたのは、母を見送りに行ったあとだった。

なにも思い当たらなかった私は、ソファに腰を下ろしながら「どうしてです？」と尋ねる。

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