極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
第九章 さようなら、私ではあなたを幸せにできない


週末の日曜日。朝早く出勤した翔琉さんの帰りを、私はそわそわしながら待つ。

午後には帰ってこられると言っていたけれど、おやつの時間に間に合うかしら。なにか簡単な手作りお菓子を作れないかな……?

そう思い冷蔵庫や食料棚を覗くも、お菓子作りをしない翔琉さんがお菓子の材料を常備しているわけがない。

あるのは玉子と牛乳とお砂糖くらい。ホットケーキを作ろうにも薄力粉もふくらし粉もない。

そうだ、朝食の残りのパンを使って、フレンチトーストなら作れるかも。

ちょうどいい具合にメープルシロップとマーマレードを発見。トッピングもばっちりだ。

翔琉さんが帰ってきたら、フレンチトーストを焼こう。

昼食を食べひと段落したあと、準備をしながら彼の帰りを待っていると、ドアフォンが鳴った。

このマンションの一階エントランスには、直接住居に繋がるモニター付きの呼び出しパネルが設置されている。

しかし翔琉さんはセキュリティ上、コンシェルジュを介した来客案内サービスだけを使用している。

社長という役職柄、不審者に狙われる可能性もあるからだ。

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