極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
『それだとお母さんにバレちゃうんだもん』

「……内緒で来たの?」

『迷惑かけるからやめなさいだって。相変わらず細かくて面倒くさい人』

反対されたのに来たのね……。ダメと言われるとムキになるのは彼女らしい。

月乃は自由奔放だ。ルールで縛り付けられるのが大嫌い。やると決めたら誰がなんと言おうとやる。人の意見に左右されやすい私とは正反対だ。

「そもそも、どうしてここがわかったの?」

『お母さんの携帯見た』

「覗き見たのね……」

きっと母と翔琉さんがやり取りしていたメッセージをこっそり盗み見たのだろう。住所が載っていたのかもしれない。

『ねえねえ、せっかく一時間半かけてここまで来たんだから入れてよ。私も星奈の彼氏に挨拶したい。リビングからの景色もすごいんでしょ? 見てみたいなあ』

駄々をこねる月乃に、勝手だなあと大きく息をついた。

気は進まないけれど、翔琉さんが結婚まで考えてくれている以上、いずれは紹介しなければならない。

彼ももうすぐ帰ってくるだろうし、家の中で大人しく待っていてもらうのが無難だろう。

それに部屋に入れなかったら一生ぶつぶつ言われそう。

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