極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
次に目が覚めたときには無機質な天井が見えた。床頭台、点滴、心電図モニター。ああ、またここに逆戻りしてしまったと落胆する。

今回は酸素マスクまで取り付けられていて、口の周りに独特な不快感がある。まだ少し息が苦しく、頭がぼうっとした。

「星奈くん、聞こえるか?」

呼びかけられ意識がはっきりしてくる。今日も死神めいた格好の伏見教授がベッドの脇で私を見下ろしていた。

「まさか別れて一時間と経たず会えるとは思わなかった」

さすがの彼もブラックジョークを口にしながら苦笑している。私は思わず「ごめんなさい」とくぐもった声で謝った。

「許してくれ。退院を勧めた私の判断は間違っていた」

どこか寂しそうにそう告げる。

謝らなければならないのは私の方だ。

せっかく送り出してくれたのに。この壁を乗り越えられると信じてくれたのに。

期待に応えられなかったのが悲しくて、涙が滲んだ。

「前回の入院時よりも数値が悪い。放っておけば命に関わるレベルだ。より処置がしやすいよう、うちの大学病院に移送しようと思う。かまわないね?」

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