極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「通院を付き添おうと思ったんですが、拒まれまして。最近、彼女は頑なで」

彼がふっと笑みをこぼした。振り回されている俺が面白くてたまらないといった様子だ。

「注意して見てやってもらえませんか。どうも具合が悪そうなので」

『主治医として注視するのは当然だ。……だが君がいいたいのはそういうことではないのだろう』

皮肉めいた言い回しをされ、苦笑した。親バカならぬ彼女バカとでも思っているのだろうが、なんとでも言ってくれ。

『……丁重に出迎え、帰りはタクシーまでエスコートしよう。それでかまわないか?』

「ええ。助かります」

安堵の息を漏らし、通話を終わらせる。これで多少は気が軽くなった。

彼女の態度に違和感を覚えるようになったのは、ちょうど体調を崩し始めた頃からだ。

甘えるのを拒み、距離を置くようになった。彼女らしいあどけない笑顔も最近は見ていない。

体調が優れずナーバスになっているだけならまだいいのだが。変化の原因が思い当たらないこともない。


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